「西郷どん」第46話 西南戦争

ヒジハラ

雨は降る降るじんばは濡れる 越すに越されぬ田原坂

誰か日テレの「田原坂」持ってきて。
(※この一言に全てが凝縮されています)

はい、今週の「西郷もういい加減にせんか」始まるよー

***

今週もお花畑全開で始まりました。
士族の窮状を政府に訴える為、小銃と大刀を携行した1.3万人の私学校生徒(と書いて薩摩の猛者と読む)を連れて行ったんですか。
これで戦争にならないと思う方が凄いですね。
実際には①熊本城を取る、②長崎・小倉に出る、③艦船を奪って大阪に出る、という三択から①を選んでいます。
薩軍にはフネが無い。
薩摩進発当初は薩軍1.3万人ほどですが、最終的には4.5万~5万人程であったと考えられています。
最後に2万と言っていたけれど、どこからの数字なのかな。
見るものにより人数が違うのは西南戦争あるあるだけれど、ちょっと少なすぎる。

中盤で熊本や宮崎から従軍してきた隊の話がありましたが、それらを纏めて党薩諸隊と言います。
熊本の熊本隊、宮崎の協同体が有名です。

●川尻本営
薩軍本隊(西郷隆盛)が川尻に到着したのは熊本城に攻撃を仕掛ける直前で、西郷は恐らく一泊もしていない程度の滞在期間です。
エライのんびりしとるな。

●熊本城炎上
突如城から火の手が、城下で火災が発生って…
熊本城と城下は西郷隆盛が到着する前に炎上しております…
お城は鎮台の自焼説が強く、城下の火災は清野作戦で鎮台が城下の家を焼き払ったものです。
この話は以前「熊本城×西南戦争2」の更新案内で書いたのでこちらをどうぞ。

●熊本は薩軍を通さないつもり?
そりゃそうでしょうと思うのは、結果を知る後世の私たちであるからです。
この辺りはフラットで行きましょう。どちらの味方もしない。

薩軍が鎮台の籠城(薩軍に従うつもりはない)を知ったのは、本隊が川尻に到着する前日です。
え、偵察とか斥候とか出さなかったの?
中々杜撰で驚きます。
西南戦争を通して薩軍に言えるのは、杜撰な事が多すぎる、という点。
自分達に自信があり過ぎる。
西郷ですら親類である川村純義(海軍の実質トップ)、熊本鎮台の参謀長樺山資紀は薩軍に引き込めると考えていた節がある。

征討令が下された=西郷が朝敵になった段階で、まだ熊本城は攻撃されていません。
官位剥奪等を彼等が知るのはまだ先の話ですが、これは西郷にとってもショックであったと思います。
しかし政府が話を聞く気がない、「だから薩軍は戦争をせざるを得なくなった」という話にはなりません。
こじつけすぎです。

西南戦争は熊本城下を通れなった時点で、ではなく、薩軍が戦争準備を行い薩摩を進発した時点で始まっていると思うのですが…
ちなみに政府軍(山縣有朋)も征討令が出る前から戦争準備を始めています。

それにしても薩摩の粗暴な点を全て辺見十郎太に乗せていて、彼の扱いが万事酷くて見ておられません。
確かに滅茶苦茶な所もあるし怖い所もある辺見ですが、彼も好きな私は涙目です。
といいますか、薩軍の諸将、それぞれ大隊長として大隊(薩軍は大隊編成です)を率いているのですが…
人吉での軍再編までは桐野や篠原国幹、村田新八といった大隊長クラスも前線に出て指揮しています。

●相変わらずの時系列
戦闘がおこった場所となぜそこで戦闘が起きたかが、滅茶苦茶です。
熊本城が短期間で落とせなかったからこその、薩軍の北上でありました。
まず高瀬で激突、そこで敗退し、その後の防衛ラインとして山鹿、田原坂、吉次峠を繋いでいます。

●西郷小兵衛、西郷菊次郎
この人達一体どこで戦ってるんですか?
西郷小兵衛は高瀬の戦いで戦死しています。
西郷菊次郎は最後の決戦、西南戦争中西郷隆盛が唯一陣頭に立った和田越えの戦いで負傷し、片足を切断しています。
父隆盛の従僕熊吉と共に俵野(延岡)の病院に残され、後叔父・西郷従道を頼って投降します。

この方、長生きしまして、京都市長や台湾でも官途に就いています。
台湾総督府の見学に行った時に、西郷菊次郎の事績を纏めたキャプションが展示されていました。
京都市長時代の話は「岡崎にある近代」で纏めていますので、こちらをどうぞ。

●警視抜刀隊
抜刀隊の多くは薩摩士族と言っていたのは評価したい。
本当に誤解が多いので、これは良かったです。
川路は別働第3旅団を率いて従軍していますが、抜刀隊を言い出したのは川路ではありません。
この辺りは「田原坂の戦い:抜刀隊の投入」をどうぞ。

参軍(実質的な軍トップ)である山縣有朋は当初この抜刀隊のアイデアにいい顔をしませんでした。
だって、薩摩と渡り合える、刀を扱える人間=武士、を選んで投入する。
それは国民皆兵の徴兵制の否定になります。
けれどそうとは言っていられない程、事態が逼迫していた為、ゴーサインが出ました。

●田原坂の戦い…?
……あれ、おかしいな……
桐野が…桐野がいるんだけど…山鹿にいる筈の桐野が…
というか、政府軍スナイドル銃、薩軍エンフィールド銃ですね。
薩軍も田原坂ではスナイドルを集中的に使っていたんですよ…
いや、だからあの、銃器による劣勢で引いたのでない…
そして川路が田原坂の前線に出てきたら、薩軍は真っ先に死に物狂いで殺しにかかっただろうよー!

●吉次峠の戦い…?
……あれ、おかしいな……
篠原が…篠原が和装なんだけど…陸軍少将の軍服で赤いマントに銀のサーベルの篠原が…
というか田原坂で戦死したの?篠原さん…

●西郷従道、島津久光
この時点で兄を止められると思えるお花畑に驚きますね。
正気を疑う人ばかりが出てくる番組です。

お殿様のお父上についてはもう何も言う事は無いわ…
私学校党が嫌いで、県か島津氏の資産か曖昧であったのを県の費用=私学校に流用させまいと、めっちゃ厳しい態度に出とるがな。

●いきなり人吉。熊本城はどうしたの

●大久保利通
「俺が政府じゃ」と言い放ちましたが、これ、本当にそうです。
これは核心です。
西南戦争で、薩軍がどうして主義も主張も信条も違うあれだけの人数が糾合できたのか。
「大久保の専制」に対する反発です。

●この人達一体どこで戦ってるんですか?

●いきなり俵野。薩軍解散の辞…
マジかい。和田越えの戦いスルー?あ?この人達一体どこでと思ったのが和田越え?
というか戦場に女もってくんなや(怒)
ここにおいても女を出しゃばらせるこの演出、最低や。

●可愛嶽突囲
まさか紀行ナレーションで終り?

*

…いやー、もう疲れてきました。
私今日B'zのライブビューイングのリベンジに行って気分よく帰って来たんですよ。笑
その一日の終わりにこの仕打ち。笑
はーあ…
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Comments 6

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なかむらきりの  
メチャメチャ。

こんばんは。
本日初めてリアルタイムで視聴しました。夕食取りながらですが。
私も桐野が田原坂にいるのに驚きました。
放送が終わったとき、丁度帰宅した主人に「酷いドラマ」と愚痴りましたら、「見るからいけない。見なきゃよい。」と正論を吐かれました。
NHKに受信料返せと抗議の電話を入れようかとも思いました。
放送が始まった頃、「今年の大河ドラマの西郷どんは面白い。期待できる。」みたいなことをツイッターしていた方々に今の感想を聞きたいです。
やはり面白かった、西郷どんは素晴らしいと言うのでしょうか。

俵野では、糸さんが菊次郎の見舞いに来たという言い伝えがあるそうですが、流石に可愛岳突破前に会いに来たというのにも、驚きました。
まだ、城山ならあり得る話ですが。

日テレ「田原坂」、スカパー!放送を録画してあるのですが、未見です。
里見浩太朗さん、勝野洋さんが嫌いではないのですが、西郷、桐野に結びつかなくて。
時間を作って一気に見るようにします。

2018/12/10 (Mon) 03:13 | EDIT | REPLY |   
MV  
「あ~あ」って感じですね

ヒジハラさんや、ここにいらしている他の方には申し訳ないことに私は西南戦争も西郷隆盛もぜんっぜん詳しくないのですが。
さらに、要所がきちんと押さえてあれば、ドラマはあくまでドラマ、必ずしも史実通りでなくてもいいと考えている方でもありますが。

ドラマとしても面白くないですねぇ。

はじめの頃はともかく、中盤から、毎回総集編を見せられているような気になります。
どうでもいいシーンに時間を割かれて本筋が説明不足。「ん?どーゆーこと?」と思うことしばしば。
戊辰戦争完全スルーのせいで、西郷が「全国の士族に慕われている」理由が見えないし。それを描けなければ西郷を描いたことにならないでしょうに。

しかもしかも、西南戦争、次回でどれだけかけるのかわかりませんが、めいっぱい使ったとしてもたった2話とは。
『八重の桜』では会津の攻防戦に何話かけたんだっけ?と調べたら、「白虎隊出陣」から「鶴ヶ城開城」まで5話もありましたよ。

かてて加えて、ナレーションがイレギュラーもいいとこ。
第2部までは第三者設定で、毎回最後に「西郷どん、気ばれ!」って言ってたのに、第3部に入ったとたん、後年の菊次郎が父を語るという設定に変わって「ここらでよかろうかい」。
西南戦争こそ気ばらなきゃいけないんじゃないの?というのは横に置いても、物語の枠組みを途中でリセットしたというのは、構成に失敗したと自ら認めるようなものではないかと。

物語の面白い面白くないは素材が決めるところ大ですが、ストーリーテリングがなってないと、どんな素材も台無しの典型のようなドラマですね。
主演俳優が別人だったら途中で見るのやめてましたよ。

アシモフだったかハインラインだったか忘れましたが、SF3巨匠のだれかが「作家にはどんなにつまらない話でも面白く読ませる筆力がいる」というようなことを書いていました。
素材としては遙かにランク落ちする(失礼!)上に、特に好きな俳優が出ているわけでもない、期待度ゼロで見始めた去年の『直虎』の方がよっぽど面白かったです。

2018/12/10 (Mon) 07:11 | EDIT | REPLY |   
ヒジハラ
ヒジハラ  
>なかむらきりのさん

戦闘をまるっと一纏めにされていたのは、時間もないことだし西南戦争で一番有名であろう戦闘に全てを詰め込んだのかなと感じました。
しかし流石に田原坂に桐野がいるとは思わなかったので、思わずポカーンとしてしまいましたが…

ご主人様、本当に正論です。
それで私は今まで見ていなかったのですが、流石にここまでの内容とは思わず驚くばかりです。
ネット上では時代には抗えないとか、泣けるとか辛いという感想もあるようです。
好き嫌い、肯定否定で賛否あるのが当たり前なので、そんなもんだろうと思います。

ただ私は作り手側の感動させようとか泣かせようとか、そういうものを相当冷めた目で見てしまう方なので、「このドラマのどこにそんな要素が」と個人的には思いましたが、ここまで来ると興醒めも通り越し、悲しくなりました。

日テレの「田原坂」は、キャストはひとまず措いて。笑(私はあの桐野は割と好きです。イメージはちょっと違いますが。笑
明治編は後半の3時間ほどしかないにも関わらずよく纏まっています。
西南戦争も短時間の中で割と丁寧に描かれていて、今まで作成された西南戦争のドラマでは1番だと思います。
勿論薩軍一丸皆仲良し状態で美化もされていますが、全く許容範囲内です。
個人的には、どうせならこちらを放送して欲しい…

2018/12/10 (Mon) 17:50 | EDIT | REPLY |   
ヒジハラ
ヒジハラ  
>MVさん

そうなんです。
私も要所を押さえていれば史実通りでなくてもいいと思うのです。ドラマですから。
しかしこの大河はその要所を結構スキップし、又は歪めてしまう傾向があるように思いました。
その上で物語が進んでいるので、よく分からない方向に話が進んで、そこに本筋から外れた場面が結構な尺で加わって、ますますよく分からなく…
結局詳しい人もそうでない人も、両方納得させられない内容になっているのでは?
ドラマとしても面白くないというのは、そこにあるのかなと。

西南戦争を描いてこその西郷隆盛だと思う私としては、「めいっぱい使ってたった2話」弱、西郷を真剣に描くつもりなんて無かったのかなとしか。
視聴率を見込める幕末で、今年が維新150年だったというだけでは?と。
白虎隊から鶴ヶ城まで5話とは、随分丁寧ですね。この差は一体…羨ましいです。


>第3部に入ったとたん、

そうなんですか。笑
”構成に失敗”というのは、ナレーションだけでなく全体の話の配分にも言えそうですね。

私は基本的に面白くない歴史(この場合は素材ですが)はないと思っています。面白くないと思うのは受け手の問題で。
中でも幕末から明治という激動の時代は日本史でも屈指の面白い時代です。
人の心を動かし、国を動かし、国の礎になった男たちの物語です。
面白くない筈がない。血が沸かない筈がない。
それが…本当に台無し、です。
腹が立つというより、本気で悲しいです…

2018/12/10 (Mon) 17:52 | EDIT | REPLY |   
ジゴロウ  

作中にあった、
「西郷隆盛はえらか人だと聞いちょります」
具体的にどう偉いかはわからんけど。
この感想を同時代の庶民が抱くのは、まだわかるんですよね。
ただ、視聴者の我々にも、何が偉いのかがわからないし、そういう描写も皆無でしたからね…
なんかわからないうちに色々終わってました。

2018/12/12 (Wed) 06:05 | EDIT | REPLY |   
ヒジハラ
ヒジハラ  
>ジゴロウさん

>視聴者の我々にも、何が偉いのかがわからないし、そういう描写も皆無でしたからね…

(笑)
すいません、いつもジゴロウさんのコメントはツボにはまるww
そうでしたか。描写皆無でしたか。
…といいつつ、ジゴロウさんもMVさんも言及されていましたが、よくよく考えれば戊辰戦争をスルーしたのに、庄内藩の伴君と榊原君出したんですね。凄いですね。
知らなかったら全っ然何のことか分からないと思うのですが…
描いていない所をいきなりぶっこんでくる手法、一事が万事でしたか。

2018/12/12 (Wed) 20:02 | EDIT | REPLY |   

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