なんともいえない(朝井まかて『先生のお庭番』)

シーボルトの妻のラブレターが見つかったとの事。(2018/10/12 西日本新聞
シーボルトの日本人妻、つまりお滝さんですね。おお…
昨年の「よみがえれ!シーボルトの日本博物館」展の日本地図といい、ぼちぼち話題が出てきますね、シーボルト。

個人的に凄くタイムリーだなと思ったのですが、丁度お借りした朝井まかての『先生のお庭番』という小説を読んでいたのです…
隠密か何かの話かと思いきや「先生」はシーボルト先生でござった。
鳴滝塾の薬草園の管理を任された少年の話なのですが、今日ね、お昼休みに佳境に入る辺りを読んでいたの。
そうしたらね、船が台風で難破した話が出てきたの。
難破したハウトマン号が臨検されて、御禁制の品物が出て来たっていうのよ……!

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御禁制の 品物が 出て来たって……!

思わず机に突っ伏した私は悪くない。悪くないぞ多分…
詳細は「シーボルト事件について」(2、3)で触れましたが、その記述、嘘ですぞー!
船に積んであったのはバラストの銅だけでございます。
御禁制の品物はございません…

シーボルト事件、本当に色々と穴だなと思います。
思い返せばその昔に読んだ小説『高橋景保一件 幕府天文方書物奉行』も中々アクロバティックでございました。
ここでも船が難破して御禁制の品物が押収されていた。笑
うむー…
それに抑々書物奉行、奉行職の方が格上であって、天文方を先に持ってくるのもNGであるぞ。
それを副題?にしてしまうのもどうなんだろうなと思うのだけれど、誰も気が付かなかったのか。
『天地明察』も謙遜して持つ碁石が白だったり(逆です)、碁打ちの言葉「必至」とか言ってたけどそれ将棋の言葉だし、後世の人物の功績をさらりと主人公のものにしていたり、それそのまま映画にしてたりで個人的には色々と「ええええええ」という感じだったのですが、こういうのって調べないのかなあ。
あまりメジャーではないだろう時代が小説になるのはすごく嬉しいのだけれど、こういうのは凄く複雑である…

追記に拍手御返事です。
 

>10/11 01:44 に拍手くださった方

初めまして。海軍関係の記事を沢山読んで頂きましてありがとうございます。
大湊には要港部がありましたので、その関連で海軍の話が沢山ありそうですね。また面白いと言って頂きましてありがとうございます!
意外な人の繋がり、確かにそこが面白くて見ているところもあります^^
特に郷土を同じくする人々や海軍の同期人々の婚姻関係は、思っている以上に広がりを見せることが多くて調べていても驚きが大きいです。
それだけ友人や先輩後輩の繋がりが濃い時代だったのだなと思います。
こちらこそこれからもよろしくお願いします。

また、コメントレスで拍手頂きました皆様、ありがとうございます!
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6 Comments

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ジゴロウ  

三国志演義じゃないですけど、ドラマティックにしたいのは仕方ないけど、職制や当時のマナーとかキーとなるところは、きちんとして欲しいですよねぇ…

私的には白虎隊にしても、
お城が燃えてる→會津負けた→自害
があまりに広がり過ぎて、資料読み込みをうたう某磯田先生からも、短絡思考の典型みたいに未だに言われたのが悲しいです。

新資料では、
お城の周囲が燃えてる→何処かの防衛線が破られたから戻ろう→でも、その最中に捕まったら恥ずかしいし、入城出来ないかも知れない→自害

つまり、熟慮はしてるんですよね。

新資料が発見されたら、拡散や訂正にも力を入れて欲しいですね。

2018/10/13 (Sat) 12:40 | EDIT | REPLY |   

ヒジハラ  

>ジゴロウさん

確かに難破してばれる、という方がドラマティックではあるのですが(笑
文庫本の出版が2012年、私が読んだ雑誌が2010年出版でしたので、著者はそれ以前出版の書籍を参考しているのだと思います(文庫本になる前だったらもっと前か…)。
この時代辺りの参考になる本、出版は軒並み古くて新しい本が中々でないため、ある意味仕方ないなと思う所はあるのですが。
ただ調べている時に本当に引っかからなかったのかなと少々疑問を持つのも確かと言うか。
ハウトマン号の話は史実ではないというのは、そもそも『鳴滝』で発表された論文ですし。

某磯田先生(笑)は古文書を読んで書いていらっしゃるという点で、信頼性の高い方だと思っておりましたが、メディアによく出るようになってから怪しくなってきたなと思っています。
近世はそうではないと思いますが、幕末近代の辺りの発言には随分怪しさを感じます。

戊辰戦争時の会津藩の話や白虎隊に関しては、近年というより結構前から言われてますよね。
そういう情報って私程度でも調べていたら普通に引っ掛かるのですが、引っかからなかったんですかね。
個人的には以前TVで話されていた板垣退助を大河プッシュする理由でものすごく感じました。
あー、あまりこの人明治の板垣の事知らんのやな、と。

結構前の通説や、一般に持たれている”イメージ”をそのまま流してしまう辺り、インプットとアウトプットのバランスが取れていない印象を受けています。
メディア露出の弊害ではなかろうか。

ただこういう方が仰るとちょっと…本当に鵜呑みにする人が多いので…

>新資料が発見されたら、拡散や訂正にも力を入れて欲しいですね。

本当にその通りだと思います。
学者の怠慢だと思います。

2018/10/14 (Sun) 06:50 | EDIT | REPLY |   

大湊の鶏  

お返事ありがとうございます。

ヒジハラさん
お返事ありがとうございました。
うれしかったです。とても。

そうなんです。
大湊には要港部がありますから。
というのもあるのですが、
あの会社はそもそもの言い出しっぺが
名士上泉中将なんです。
そんな関係もあって海軍とは非常に繋がりが深い会社です。

それにしても、「名士」って。
絶妙な言い回しですね。
読んだとき笑ってしまいました。

2018/10/14 (Sun) 15:58 | EDIT | REPLY |   

ヒジハラ  

>大湊の鶏さん

こちらこそメッセージ頂きましてありがとうございます^^
上泉が言いだしっぺだったのですか!
それだと確かに海軍とは関係が深い筈ですね。そりゃそうだ…
サイト/ブログがお役に立てていましたら何よりです。

「名士」は海軍社会では「変人」という意味ですが、仰る通り絶妙の言い回しだと思います。
私も知った時は笑いました。
大名士と言われる人もいるのですが、個人的には上泉もその手じゃないかと…(笑
エピソードだけを見ていると随分な話も多いのですが、ただ不思議と本当に憎めない感じの方で、人柄ってあるのだなと、この方を見ていると思います。

2018/10/14 (Sun) 20:29 | EDIT | REPLY |   

大湊の鶏  

大名士!!!!!!!!!

もしかしたら、あの上泉さんをも凌駕するような方がいらしたのですか? 
海軍に。
なんだか海軍のイメージが・・・

それでも、上泉さんには堅苦しさがなくて自然と親しみを感じてしまうのです。
これは上泉さんご本人の証言ですが、
明治20年前後に
鈴木誠作、平井七三郎、床次竹二郎、江頭安太郎、柳生一義の諸氏と兄弟の義を結んだそうです。
(国会図書館のデジタル資料で見られます。
 「床次竹二郎伝」135ページ、コマ番号100)
(ご存知かもしれませんね)

こういうキチンとした人達が親友以上の関係を持ったのも
人としての捨てがたい魅力とか、不思議な人徳のようなものを
備えておいでだったのかな。と思います。

あ、でも
お母様が「お前は何でもやりすぎるから、せめて人並みにしておいて」と言い遺されたお気持ちも、すごくわかります。

度々すみませんでした。

2018/10/15 (Mon) 16:20 | EDIT | REPLY |   

ヒジハラ  

>大湊の鶏さん

海軍さん、本当に色々な方がいますよ。笑
ユーモアを大切にする人々だということもあるのか、調べていくと本当に面白いエピソードがあちこちで見つかります。

江頭安太郎とは海兵同期で、この12期は非常に仲が良かったそうなのでよく分かるのですが、薩摩出身の床次竹次郎もですか。
少々意外な気がしますが、馬が合ったのかな?

>「お前は何でもやりすぎるから、せめて人並みにしておいて」

すいません、笑いました。
上泉、文章だけで見ていても本当にそういう所があります。
流石お母様(笑

2018/10/16 (Tue) 05:39 | EDIT | REPLY |   

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